5 12月

「求められる互いに生存する知恵」

私が知ることになった山村では、農家の人達が汗水流して苦労して作った作物が鹿に食べられて困っている。
時には、猿も出没する。市の協力を受けて、対策として田畑の周りを弱い電流を流す線を張り巡らして被害をふせごうとしている。
自然の中で鹿や猿との共生共存はむずかしい。
人間世界も同じだ。
…むずかしい。だからこそ、みんなで知恵をもって『共生共存』を考えて続けることが求められている。
鹿の話を聞いて例えを思い出した。
『鹿を追う者は山を見ず』
利益ばかり追求し、優しさやいたわり合う心ないところには、人間にとっても、野生動物にとっても、生存する厳しさに役にたつ知恵がうまれることはない。