9 2月

〈個〉の一生涯の願いを込めた「人間宣言」

〈個〉の「生き方」に多大な影響を及ぼすところの日本人と在日韓国人の差があるのをご存じかな。私が前にする人たちとは、何度か、話をする機会があったから覚えているだろう。それは、在日韓国人が、地方行政日本の国に対する税金の納付義務を果たしているにも関わらず、選挙の時に一票を投じることができない存在だということだ。この現実が、人間の存在をなきものとするのだ。〈個〉の願いは、自分が自然にかえされるまでに一度でもいいから一票を投じたい。言い方を変えれば、「ああ、私は、人間になりたい」という叫びだ。一票を投じることができないということは、人間として、うけとめられていないのと同じだ。ある日本人は、「そんなに一票を投じたいなら帰化すればいいじゃないか。」と投げかけてきた。この一節の内容こそが、まさに、在日韓国人のアイデンティティーの破壊である。それと同時に、投げかける、その人自身のアイデンティティーの破壊であることに気づいてほしい。上記のことは、精神界で生きる人間にとっても同じことがいえる。一票を投じることができても、〈各々〉のアイデンティティーが破壊されている現実がある。我々は、心をあわせて、声たかだかに「人間になりない」と訴え続けたい。