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25周年を迎えて ~「導かれる」思想~

                                      理事長 金 永泰  

社会福祉法人サワリは25周年を迎えました。社会福祉法人サワリに到るまでの経緯は「導かれる」と言う思想の中にあると考えます。25年間を省みて振り返ると確かに具体的に難題が壁となり、それに対して向き合うしか術なしであったのは事実であります。さて、無認可時代(グレースハウス・1999年10月1日開所)から精神障碍者に特化して今に至っている訳ですが、極めて稀なNPO法人時代の出来事を1つ紹介します。

その当時に私は「グループホーム」の開設を考えていました。先ずは、物件を探すためにある不動産屋へ相談に行きました。そこで物件を紹介されたのですが、その物件が私にとって衝撃のある内容となったことを想起します。当時、大きな社会問題となっていた宗教団体の活動拠点として建設された物件を紹介されたのです。勿論のこと地域住民の反対運動がありその宗教団体は活動できず撤退しました。けれども撤退後、地域住民には心の傷が残されました。そこに私は敢えて「グループホーム」開設を決断しました。そこに私の考え方があったからです。つまり、地域の傷を癒す役割ができる可能性があると判断したのです。しかし、反対運動で疲れきっている地域住民は「グループホーム」開設にも反対表明を提出してきました。当然そうなることをはじめから判ってはいましたが、私は諦めないで地域住民の代表と何度も何度も話し合いを続けました。話し合いを重ねた結果、3つの条件が提示しされました。条件の1つ目は「今の建物を解体して新しく建てること」。2つ目は「地盤調査を徹底的にすること」。3つ目は「改修工事後に内覧を二日間すること」です。その条件の中で私が受け入れることができなかったのは1つ目です。それは経済的に困難なことだからです。その代わりに建物全体塗装することで地域住民の方に納得して頂きました。上記の内容に到るまでなかなか難しく時間がかかりましたが「導かれた」結果であると受け入れています。最初は話し合いだけで受け入れる意志はなかったと思います。それが、そうでない結果が出たことに私自身が驚いたのが本音のところです。それが、まさに副題となった「導かれる」ことになりました。さて、改修工事がようやく終わり二日間の地域住民の内覧会が始まりました。単独で内覧に来た人はなく、5人、10人の数名で内覧にきました。内覧は二日間で150名の内覧者がありました。それだけ我々のやることに関心が深かったと思います。地域の内覧者には以下のように話をしました。「地域の皆さん、私は福祉をもってして地域の傷が癒されることを切に願っています」と。これ以外にここに記載したかったことが沢山あります。

少し、話をもどすと「グループホーム」が地域に溶け込むには時間がかかりました。でも、「グループホーム」の利用者さんたちが地域のイベントであった「餅つき大会」に招待された時は本当にうれしかったです。今から思えば、地域住民に安心して受け入れられるようになったのは社会福祉法人格を取得してからと〈個〉の私は受けとめています。

最後に、「25周年を迎えて」のテーマにもどって言えることは、社会福祉法人サワリの歴史は「導かれる」ことがなかったら〈今〉があるとは考えられません。社会福祉法人サワリはこれからも「導かれる道」を歩んでゆくと信じる〈個〉の私です。シャローム。

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