28 10月

「人と比べると心がなえる。自分は自分や。」

私は、友の紹介である山里にある民家、まだ改修が必要であるが、個人的理由で手にいれた。
しかし、はじめは個人的理由だけであったが、それだけでなく、人の役に立てる民家として活用できるというひらめきがあった。
それは、震災後の課題や原発(放射能など将来への課題等)、言い換えるならば、今の日本の現状と将来のことを考えていた時のひらめきである。
それは、必ず多くの人達が求めるプロジェクト、つまり、企画等が考えられる民家であり、周囲の資源、具体的には、自然や自給自足ができる田畑、そして、山林が利用できると思えたということである。
勿論、グレースハウスとポケットのみなさんにも、必要な時が来るというひらめきであり、私の夢の一つになった。
ところで、話はかわるが、ある週末の日に、私がチェンソーで丸太を切っていた時である。一年半くらい前かよく覚えていないが、山道を農機に乗ってあがっていく途中で転げ落ち、片足を失い、リハビリ中の区長さんが杖をついて坂道をあがり、わざわざ避難用ヘルメットを届けてくれた。その時の世間話の中で、区長さんに「義足をつけて坂道をあがれるなんて回復がはやいですね」と伝えた。
その時に区長さんが言った言葉が私には印象的であった。
「村人がみんなで集まって草刈り等をする時に負けてたまるかと思ったり、村人の目を気にしたり、他の人と比べて作業しているとリハビリにも影響するんだよ。そんなことをしてるとかえって心が萎えてしまう。誰のことでもない自分は自分や。強く自分に言い聞かせている。なんでも自分のペースで取り組み自分の強い精神力を信じてリハビリをしているよ。」特に、「誰ことでもない自分は自分や。強く自分に言い聞かせている。」この言葉が私の脳裏から離れない言葉となった。