29 2月

「黙するなぐさめ」

人生を黙して語らなかった人がいる。
その方から愛されて育てられ、共に生きて今にあり、その姿から言葉の重み(大切さ)と存在の重み(大切さ)を通して、生き方を教えられた私がここにいる。
いつ生命の炎小さくゆらぎて消えようとも、心に刻まれた教えはとこしえに消えることはない。
言葉がなくとも、言葉が意味を持って伝わらなくとも、生き方とその存在が物語る人生があることを知る。
頬に流れる一粒の涙に感謝の心を込めて、魂の満ちる泉に潤う水を求めて集まる小鳥にしばし心のやすらぎを覚える。