1 4月

「山村であらためて学ぶ生命の大切さ」

先日は、山村で知り合い、私をお世話してくださる方から記念樹となる苗木を植林したが、今回、また、「山小屋の下の斜面を這わせるようにしたら将来楽しいぞ~」と言いながら、これから育つ松の木を植えてくれた。その後、椎茸の菌が余ったからと言いながら、名前のわからないある木を選び、適度な長さにチェーンソウで切り、ドリルで穴をあけて、50個くらい椎茸の菌をかなづちで打ち込んだ。
一つ一つ、根気のいる作業だ。そして、それを湿気のある山手に運んでやぐらのように組んで作業がおわった。汗を流すことが少ない私にはとても貴重で将来役に立つ楽しい作業となった。
自然の厳しさの中で、しっかりと大地に根をはりつめ育つのに何年かかるのか。この椎茸が育つのに何年かかるのか。人間がこの世に生が与えられた歳月以上かけて育まれていく樹木だ。
この方は信じている。すべて信じて取り組んでいると私は感じた。この方と自分が与えられた生が何年あるのかわからない。
でも、この世と自然のどんな試練があろうとも共に育まれていきたいと願う大切なひと時となる。
最後に、その方が言われた。『キムさん、椎茸が育つかどうかわからない。でも、たのしみじゃのう。』
私には、この方の存在と言葉の重みを感じる一言となる。生命が軽んじられる時代。
大切にしていこう…大切に…与えられた言葉(ロゴス)と生命(いのち)を…祈る心で帰路につく。