8 10月

「『怒り』に本質的な生き方がある」

私は、いつ新聞で読んだのか忘れたが、ある社会運動に人生をささげた人に対するインタビューが掲載されていた。年齢はたしか80歳をこえていた。
原稿を書いた記者が彼に次のような質問をした。
「あなたの生きる原動力は何か?」
彼の答えは一言。「怒り」であった。
私は、彼の「怒り」をマイナスやプラスという二元論でうけとめる単純な質的内容でないと考えた。
何故ならば、彼の「怒り」は、自分だけが不条理で絶望的な状況におかれていると考えて、それを解消する自己満足的・自己完結的な感情に属する「怒り」でないからである。
日本社会を愛し、隣人を愛し、自分を愛し、世界平和と正義の実現をもとめてやまない幅広い生き方が根底にあるとうけとめたからである。
まさに、人間が人間として生きるために諦めてはならない「怒り」である。あなたはどのようにうけとめますか。