〈個〉の私の精神界における人生では、常に、〈涙の雨〉が〈よろこびの雨〉に変換される。つまり、〈涙の雨〉が〈悲しみの涙〉ではないと言うことを意味するのだ。故に、精神界における〈涙の雨〉があふれれば、あふれるほどに、〈個〉の...
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愛に満たされて愛に溺れる人を、精神界でみたことがある私である。しかしだ。愛に溺れても沈むことはない。そこには、愛の〈質〉の違いがあるからだ。その〈質〉の違いが解る存在は少ないが、皆無とは言えないところに〈個〉としての救い...
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生死をさまよっていた若き人が、ベッドに横たわりながら、窓辺の〈光〉に向かって無言で指先をさしだしていた。幼き子供だった〈個〉には、その先に何が待ち受けているのか判らなかった。母親は指先をさしだしたまま息をひきとった。歳重...
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