19 3月

「人間と杉の木の年輪の意義」

私にとって、2013年3月17日の日曜日は忘れることのできない日となりました。
山村で知り合い、私を可愛がってくれる方から、杉の苗木三本をプレゼントされ、私にとって、人生の記念樹となったからです。
その後、隣の山との境界線となる崖っぷちのようなところで、その方が植林してくださいました。
少し手伝いながら、その心と姿に頭がさがるおもいと感謝の心で一杯になりました。この感謝の心が何十年、何百年受け継がれていくことを祈る私がいました。
植林された杉の木が、年輪重ね、天上にむかってまっすぐに育まれることを祈るように、私の人生もそうありたいと祈りました。
ところで、後から来た連れ合いのおばあちゃんが伐採した杉の木の姿をみて嘆いていました。
「あ~あ~、おじいさんが20年も30年も歳月をかけ、我が子のように手塩に掛けて育てたものをよく考えないで伐採するなんて」と淋しそうにぽつりと一言…。
「周りの杉の木や檜木の大きさまで育つのに何年の歳月がかかりますか」と、私がその方に尋ねたら、ぽつりと一言、「85歳か86歳なるわしは、もうこの世にはいないだろう」。
淡々と語る姿に淋しさよりも、年輪重ね生きてきた人生の誇らしげな重みが私の心を突き抜けていくのを感じました。