12 6月

「距離感の力点」

私には、「心の対話」におけるケアーの重要なテーマがある。
そこには、自分の存在(心)と相手の存在(心)との距離に一線を引くという難度の高いジレンマがともなう課題がある。
それはクライアント(来談者)の沈黙が私の存在(心)を射ぬく力になり、それが添えられていることを悟るからである。沈黙と傾聴とは距離感の力点となる。
私は、あるスタッフの次の一節の言葉に心うたれる。
『最も距離をおくことが最も近いケアーである。』
まさにその言葉の深い意味が私の「心を射る」、つまり、相互の関係(の創造)における死と命の境界線を射ぬく決定な影響を与えてくれた。
「心の対話者」よ。あなたに感謝する。