18 6月

「心の『諸刃の剣』」

私は、ある建物を前にして、自分自身を顧みる時がある。
思いも寄らなかったその頃の出来事。想えば、相手の心の刀剣を前にして、何故あれほどまでに心静かに冷静でいられたのか。何故、私が自分の心の刀剣をかざして闘うことを選び・決断しなかったのか。いまだにわからない。素手で相手の心の刀剣をうけとめる余裕も力もなかったはずなのに。
しかし、たったひとつだけ解ってきたことがある。それを強いて語るならば、本物ではなく模造品であることを直感的に・瞬間的に見抜けたからであろう。
相手は、模造品をかざして、私の心の刀剣を折ろうとしたが、折れたのは、相手の心の刀剣(模造品)であった。たとえ、模造品といえど、その出来事が長ければ長いほど、擦り傷くらいは残る。
あれ以来、何かをやり遂げ生き抜くために何事が起こっても『たたかわない』。それのみであることを深く学んだ。それが創造された人間存在の生き残る道。自分を守り相手を守る。「たたかわない」は、我々の世界においては鉄則である。再度、伝えたい。『鉄則』である。それを破るならば、相手もろとも自滅するだろう。